フォークリフトバッテリー
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バッテリーの補水と充電について
(液漏れによる実態)

バッテリー液(希硫酸)は、充放電することにより体積が増加します。
精製水補水後の満水状態で 充電を実施しますと体積増加により溢れる可能性が高くなります。

バッテリーの水素ガスの発生について

バッテリーの中には、鉛の板と液体が入ってます。
液体は、希硫酸(比重1.28)です。
バッテリーの+と-端子をフォークリフト本体に接続するとバッテリー内で化学反応が起こり、電気が発生し使用されます。
バッテリー放電時の化学反応のため、鉛と硫酸が結合し硫酸鉛となり、希硫酸は硫酸成分を失います。
このままですと、バッテリー液の比重が下がり バッテリーが上がってしまいますので、充電を行います。

バッテリー液は、充電されると硫酸鉛は鉛へ、液体は希硫酸へと戻ろうと化学変化を行い、その際に水が分解され、水素ガスが発生します。

充電によるバッテリー液体積の増加

充電する事によって電気が流れ、それにより電気分解が起こり、水素が発生する事により、ガスが気泡となりバッテリー液内に充満して水位が押し上げられます。
充電による液温上昇でバッテリー液の体積が増加するのに加えて、発生したガスの体積分も増加します。

充電のタイミング

現状 日本では、まだ補水後に充電を唱えているメーカーも多いですが、世界基準では、充電後の補水が常識です。 (但し、0℃以下の環境では補水後の充電が推奨されています)

各セルには、種類に応じて 約4~8ℓのバッテリー液が入っております。
どのタイプのセルにおいても、バッテリー液の多い・少ないでは、(液内の)電気量は変わりません。
従いまして、充電後に補水しても電気量が変化することもありません。
※補水の有無・タイミングに関わらず(液溢れが無い状態での)セル内の電気量は同じです

充電に際しましては、最低液面(極板が見えない程度)が保たれておれば、補水の必要はありません。
満充電後に、精製水を補水して下さい。
※目視 又は 液面センサーが赤色点滅している場合は、各セルに少量補水して下さい

充電前に満水補水を行うと、バッテリー液の体積増加により溢れ出る可能性が高くなります。
※バッテリー液(=希硫酸)が溢れ、その後精製水を補水する事により、結果的にはバッテリー液が薄まる為、そのセルの電気量(バッテリー能力)は低下します

バッテリー液が溢れ出ますと、バッテリー自体の寿命に悪影響が出るのみならず、漏電による危険性のリスクが高まり、職場環境の悪化となります。

バッテリー液溢れによる実態

図①
一括補水装置からのバッテリー液洩れの為、硫酸結晶が発生しています。

図②
バッテリー液溢れの為、腐食により+端子が溶けています。
溢れたバッテリー液で漏電しますと、端子付近の水分を含んだホコリに反応し煙が出たり、ショートする場合があります。

①②の例からわかるように、バッテリー液の溢れを放置しますと、漏電するだけでなく希硫酸の化学変化により成分を失います。
硫酸化合物などが発生し、充電を行います。
腐食や端子部のケーブル断裂、バッテリー機能損傷の最大原因となります。

※硫酸鉄は、白又は青緑結晶。硫酸鉛は、白結晶です

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